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わたしが信じていること。

 2016年8月。わたしは住みなれた東京から奥さんの故郷、北欧・フィンランドに家族3人で移住してきました。
 
 移住前、日本で働いていた職場は、急成長を続ける外資系インターネット企業。
 サービスの健全化・プロダクト改善、新規サービス開発、マーケティング、PRなどを少ない人員で同時に進めるという状態。
目の下のくまはどんどん濃くなり、ストレスからか体重は目に見えて増えていきました。ついには、仕事用のバッグに着替えをつめて、会社に通い始めることに……。通勤時間は、往復たった1時間なのに「会社に泊まれば、その分1時間の睡眠時間が増える」。それが「合理的」だと当たり前のように考えていました。

 そんなある日、いつものように着替えをバッグに詰めていると、奥さんが泣きそうな顔で聞いてきました。

「わたしにとって、あなたのその行為がどんなにクレイジーに見えるか、分かる?」

 

 ハッと我に返りました。当時2才のかわいい息子との時間も十分に取れず、仕事漬けの日々。早晩、何かを変えないと大切な家族がバラバラになるであろうことに気づきました。
しばらく家族とゆっくり過ごそうと考えはじめた瞬間でした。

  「ゆっくり過ごす」。そう考えた時に最初に浮かんできたのは、奥さんの故郷、北欧・フィンランドの田舎の風景でした。
お義母さんがやさしい笑顔で出してくれる手作りのブルーベリーパイ、晩夏のそよ風が奏でる白樺の葉ずれの音、家族で焚き火を囲んで焼くソーセージ、暖炉を眺めながら毛布にくるまって飲むコニャック……。
 
「フィンランドで2、3年間過ごしてみよう」。
ダメだったら帰国すればいいし、他の国に移ってもいい。とにかく家族の時間を作ろう、そう思って移住してきました。
 その後の1年間、思い描いていた風景をそのまま体験しながら、わたしの疲れはだんだんと癒やされてきました。今思い返せば、恐らく人生で『最も心が落ち着いた時間』を過ごしたと思います。

 「ヒュッゲ、暮らしの伝言。」は、時間の余裕がなく毎日を過ごしていた自分へのリリーフ(救済)です。わたしたちが伝える「伝言」が少しでもみなさんの幸せにつながれば、それはわたしたちの幸せです。

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主宰

小菅祥之

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伊藤忠商事、クアルコム・ジャパン、AmazonのKindle ダイレクト・パブリッシング (KDP)のジャパンヘッドを経て、2016年8月よりフィンランド・タンペレ市へ移住。「北欧から幸せをとどける」を軸に複数の事業を展開中。フィンランド人の妻と4歳、0歳の息子の4人家族

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